ぐっすり眠れる、LOHASホテルスーパーホテル
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環境報告書2009


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山本梁介×大和田順子氏。「安全・清潔でぐっすり眠れるLOHASホテル」を感動と笑顔の拠点に。

LOHASをコンセプトにした、新しいタイプのホテルをオープンしたスーパーホテル。その目指すべき方向性や従業員とお客様がともに進めていく環境活動について、LOHASビジネスプロデューサーの大和田順子氏に山本会長の考えを伺ってもらいました。

  • スーパーホテル会長、山本梁介×LOHASビジネスプロデューサー、大和田順子氏。

サービス業として環境問題にどう取り組むか

大和田:
2009年3月にオープンされた、ここ「Lohas JR奈良駅」はLOHASをコンセプトにした新しいタイプのホテルですね。LOHASとは、Lifestyles of Health andSustainability の頭文字を取ったもので、健康と環境、そして持続可能な生活を心掛けるライフスタイルのことですが、LOHAS的な志向を持つ人は日本でも相当数いると言われています。その考え方をホテル業界で、初めて採用されました。昨夜、泊まらせていただいたのですが、うたい文句通りぐっすり休ませてもらいました。
山 本:
LOHASという考え方に共感し、新規のホテルでも取り入れ始めました。大和田さんにお泊りいただいたフロアは、各客室の天井に塗っている珪藻土に自然の調湿作用や消臭効果があります。天然温泉にはオリーブの種を再利用した炭を敷き詰めて、ヒーリングになる工夫をしています。
大和田:奈良にLOHASの拠点をつくられたのはとてもよかったと思います。古い伝統文化が根付き、素朴さもあって…、会長のご出身地でもありますね。
山 本:
奈良は観光地ですが、まだまだ開発が進んでいませんから豊かな自然がたくさん残っていますし、自然と共生する智恵も受け継がれています。それが、LOHASのコンセプトに合っているのではないでしょうか。
大和田:
ビジネスマンが圧倒的に多い他のスーパーホテルと違って、ここは女性客やご家族連れも多いそうですね。フロアごとにテーマカラーを変え、そのカラーも奈良にちなんだ古代色を取り入れるなど、心憎い演出がなされています。客室の珪藻土のほかにも、地元の大和野菜を朝食に取り入れるといったホテル側の工夫に加え、お客様側にもご協力を呼びかけ、歯ブラシやお箸を持参したり、連泊の場合に清掃を辞退されると特典があるなど、そこここに環境への配慮が感じられました。特に宿泊に伴うCO2を相殺するカーボンオフセットもここから始められたそうですね。ところで、山本会長が、そもそも環境経営に取り組まれるきっかけは何だったのでしょうか?
山 本:
きっかけは、8年前に当時の熊本県の水俣市長から要請を受けたことです。「水俣をかつての公害の町から環境の町に変えたい」という市長の思いもあり、非常に熱心に取り組まれておられ、スーパーホテルの水俣店もぜひとも協力してほしいということでした。最初は、サービス産業として環境問題に対して何ができるのだろうか、という迷いは正直ありました。しかし、実際に取り組んでみると、明らかに設備の経年劣化が遅くなるなど、効果が目に見えるのです。また、地元の方たちからも当社の活動を高く評価していただきました。水俣では、ごみを細かく22分別して再利用も進めています。例えば、ワインのビンなどはリサイクルされて歩道の舗装に利用されており、町がどんどんきれいになっていくとともに、水俣市民の表情もぐっと明るくなっていったんですね。そういったことを目の当たりにして、手ごたえのようなものを感じていきました。
大和田:
ホテル業界ではいち早くI T化も取り入れられています。それにより、「I T百選」の最優秀賞も受賞なさいました。
山 本:
ペーパーレス化は、環境にも負荷を掛けない仕組みです。自動チェックイン機の開発により、「ノーキー、ノーチェックアウト」を可能にし、チェックインや精算時の待ち時間をほとんどなくし、効率化もできました。これにより、従業員は接客に専念できるようになり、お客様はあわただしい朝にフロントに寄る必要なく、余裕を持ってお出かけいただけます。

環境活動の楽しさを従業員からお客様へ

山 本:
水俣市長の熱意に打たれたものの、サービス業として何ができるのかと悩み、正直言うと「環境なんて面倒だな」と初めは思ったものです。ところが、いざ自分がやってみると楽しいし、何より気持ちもいい。環境活動は、草の根活動であり、広げていくことが大切です。私どものホテルは年間270万人もの方にご利用いただいています。この楽しい気持ちを従業員にも伝え、さらにお客様と共有できないだろうかと考えました。実は、インターネットでご予約・ご宿泊されたお客様を対象とした「エコ泊」、や連泊の方を対象とした「エコひいき」という新たなサービスは従業員から出てきたアイデアなんです。結果として、1室当たりCO2を26%削減できたことも、設備の入れ替え効果もありますが、従業員の工夫や努力によるところが大きいのです。
大和田:
毎月開催されるLOHAS委員会に2008年6月から私も出席していますが、従業員の皆さんが「どうしたら日本一のエコホテルになれるか」を毎回、熱心に議論されていて心を打たれます。LOHASなビジネスホテルにしていくというのは、チャレンジングな目標です。自社だけでなく、お客様も巻き込み、一緒に環境問題に取り組んでいこうという姿勢は意義のあることだと思います。
山 本:
エコロジーを追求する一方で、当たり前にお客様満足度も上げていかねばなりません。ホテルで過ごす時間のうちほとんどはベッドでお休みいただくわけですから、いかに質のいい睡眠を提供できるかということで、大阪府立大学と共同で「ぐっすり研究所」を立ち上げ、睡眠についてさまざまな研究をしています。
大和田:
自分にあった枕の硬さや高さが選べる仕組みもうれしいですね。質の高い睡眠というのは健康と直結し、LOHASのコンセプトと合致しますね。少し前までは、「3割高くてもLOHAS製品を買う」と言われたように、意識の高い人たちという見方もありましたが、今はそういう時代ではありません。多くの人が、普通にLOHAS製品やサービスを選び新しい豊かさを暮らしに取り入れています。
山 本:
多くのお客様、また多様な価値観を持ったお客様に感動を与えられること、これはサービス業として当たり前だと考えています。他社に真似をされたり、お客様に飽きられるという危機感を常に持ち、そのためにも若手社員を積極的に登用しています。「自律型感動人間」というのが求める人材育成像ですから、時には、彼らの突拍子もない意見に耳を傾け、泥臭いことにも付き合っています。
大和田:
サンキューレターが毎月3千通も集まっているそうですね。そういったお客様のたくさんのお声の1件1件に真摯に対応されていることに感動しました。最近、マスコミにもよく取り上げられますが、きっと、従業員のご家族にも誇りに思っていただけることでしょう。
山 本:
お客様からのサンキューレターは必ずみんなが目を通します。おほめの言葉ならモチベーションのアップになりますし、逆にクレームであっても、それはファンの声であり、そこには改善へのヒントが隠されています。

感動と笑顔の輪が広がる会社をつくりたい

山 本:
2007年度に「関西経営品質イノベーション賞」をいただき、とても喜んでいます。これは環境と経営が一体化していることを評価いただけた証しであり、「安全・清潔でぐっすり眠れるLOHASホテル」というコンセプトで、お泊りくださったお客様に元気いっぱいになっていただくことは、ひいてはその地域を元気にし、社会を活性化することにつながると思います。私が水俣市長からもらった熱意を、従業員からお客様、地域へと広めていけたら、こんなにうれしいことはありません。
大和田:
今や、企業活動は環境と経営を切り離して考えることはできません。エコロジーとエコノミーを両立されているスーパーホテルの取り組みが高い評価を受けているのでしょう。
山 本:
持続可能な社会とは、決して個々人のエゴをぶつけ合うものではなく、他人に喜んでもらうことで、感動の輪・笑顔の輪が広がっていくような世界かもしれません。あとから、モノやお金が自動的についてくるような仕組みの社会です。
大和田:
私も仕事で、各地の農村にもよく出かけるのですが、日本各地にはすばらしい文化が根付いていることにいつも感動を新たにしています。日本全国にネットワークのあるスーパーホテルが各地の個性を大切に、地域の魅力をどんどん発信するような拠点になられるとすばらしいですね。今後の活動も期待しています。
大和田氏プロフィール

大和田氏プロフィール:

LOHASビジネスプロデューサー、LBA(ロハス・ビジネス・アライアンス)共同代表、NPO環境立国理事。低炭素で持続可能な社会の実現に向け、新しい価値観LOHAS(ロハス)の考えに基づき、講演・研修や執筆、コンサルティングを行う。

用語解説

※1 エコ泊
1室当たり6.82kg排出するCO2を、スーパーホテルがお客様に代わってカーボンオフセット(CO2を相殺する仕組み)。京都議定書で定められた国連で認証された信頼性の高いグリーンエネルギー事業から創出された排出量クレジットによって当社を通じてCO2を相殺する。
※2 エコひいき
連泊の際、掃除不要なお客様へはミネラルウオーターを、またマイ箸持参の方や歯ブラシ不要のお客様にもエコ活動に参加いただいた感謝の気持ちを込めプレゼントを用意している。

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