

2009年3月、古都奈良に新しい風が吹き込みました。日本初のLOHASホテルのオープンです。スーパーホテルの環境配慮を具現化した新しいタイプのホテル「スーパーホテルLohas JR奈良駅」をご紹介していきます。
古都奈良に誕生した新しいコンセプトのホテル
平城京遷都から1300年を迎える国際観光都市・奈良―その玄関口であるJR奈良駅前に新しいホテルがオープンしました。JR奈良駅前にそびえ立つ瀟洒な白いビルに入るのが「スーパーホテルLoha sJR奈良駅」です。
玄関からエレベーターで4階に上がると、白い大理石とこげ茶のインテリアで統一された落ち着いた空間と、「おかえりなさいませ」の温かな挨拶と笑顔でお出迎えします。ロビーには、ゆったりしたソファを取り囲むように本棚が設置してありますが、そこに並べられる本は、アル・ゴアの『不都合な真実』や生物多様性を扱った本、写真雑誌『ナショナルジオグラフィック』に日本の伝統文化を伝える写真集など、選定にはこだわりました。
自動チェックイン機によりペーパーレスで楽々チェックインできますが、それに加えてスーパーホテルのWEBサイトからインターネット予約をすれば、もれなく“エコ泊”となり、1室1泊6.82kg排出されるCO2をオフセットする仕組みになっています。スーパーホテルは、インドにある風力発電所を支援しており、エコ泊利用のお客様は知らないうちに地球温暖化防止に貢献できるというわけです。5年後には、全国すべてのスーパーホテルでエコ泊を利用できる予定です。こんなふうにIT技術と環境を組み合わせ、無理なく自然体でエコ活動に参加できることはとても気持ちがいいし、少しお得と好評です。
あちこちに感じられるLOHASなこだわり
チェックインを済ませると、次に枕を選べます。やわらかめ、固め、高め、低め、また炭化させたオリーブの種を詰めた健康枕など、さまざまな種類の中からどれにしようかと迷うのも楽しいひとときです。浴衣も、生地にリラックス効果のある特殊加工したものが貸し出されます。
スーパーホテルではお客様にぐっすりお休みいただくために、大阪府立大学とともに「ぐっすり研究所」を設立、快適睡眠を追求しています。枕やベッド、布団、パジャマ、スリッパ、照明と快適睡眠の要因を研究し続けています。
客室のある各フロアは、フロアごとに異なる古都らしい古代色で彩られたカーペットが敷き詰めてあります。このホテルの一部の客室の天井には、高い調湿・消臭作用のある珪藻土が塗られるなど、あちこちにLOHASなこだわりを取り入れました。客室内に足を踏み入れると、「靴を脱いで『ぐっすり』お休み下さい」とスリッパがきちんと並べられています。日本人なら、やはりリラックスしたい時は、靴は脱ぎたいもの。このスリッパも「ぐっすり研究所」での研究成果の詰まったリラックスを促す特殊なスリッパですが、実はホテル側にもメリットがあるのです。お客様が靴のまま部屋を歩かれるより、入り口でスリッパに履き替えてもらえば、掃除機をかける時間が少なくてすみ、結果、電力使用が減りCO2排出も少なくなるというわけです。
食材のこだわりもまた環境保護につながる
そして、このホテルの名物である天然温泉飛鳥の湯。こんな街中で温泉が楽しめるなんて―ついつい気持ちよさから、温泉に居合わせた方たちとおしゃべりもはずみます。ゆったり肩まで温泉に浸かれば、疲れも取れてスッキリ。夜もぐっすり眠れるというものです。
ぐっすり眠った翌朝は、地元の大和野菜をふんだんに使った無料の朝食メニューをご用意しています。食材も環境のことを考えて、「地産地消」がモットーです。これは輸送時のCO2排出を減らすだけでなく、収穫から食卓に上るまでの時間が短く、新鮮で栄養価も高くておいしいというメリットがあるばかりか、地元の農家を応援することにもなります。また、朝はパンという方にも焼き立てパンが用意されていて、女性のお客様に好評です。
他にも、連泊されるお客様から清掃不要のお申し出をいただければ、ミネラルウオーターを、またマイ箸や歯ブラシをご持参されたお客様にもお菓子をプレゼントする「エコひいき活動」を実施しています。
「スーパーホテルLohas JR奈良駅」の挑戦はまだ始まったばかりですが、今後もお客様とご一緒に、奈良という美しい町、さらには地球も健やかにしていく取り組みを広げてまいります。


全店舗で環境マネジメントシステムISO14001認証取得を目指しているスーパーホテルですが、ここではその中でも先駆的な存在である水俣店と鳥取駅北口店にスポットを当ててご紹介します。

公害の町から環境の町へ
「スーパーホテルCity水俣」は、スーパーホテルが環境へ取り組むきっかけとなった1号店です。1990年にオープンした水俣店ですが、当時はまだ環境に対する意識も低い時代。その後、1992年水俣市は日本初の「環境モデル都市づくり宣言」を行い、市民と協働でさまざまな環境政策についての取り組みを始めました。「水俣を公害の町から環境の町へ変えていこう」という市長の強力なリーダーシップのもと、20品目(1993年当時)にも及ぶごみの分別などにより、循環型社会を体現していきました。学校や幼稚園にも水俣独自の環境ISOを導入し、徹底した環境教育を行っています。そしてスーパーなどの店舗においては、「エコショップ活動」を展開し、過剰包装を見直すなどいち早く取り組み始めました。さらに、全国から訪れるお客様にも「さすが」と思ってもらえるきっかけにと、旅館・ホテル向けの独自の環境ISOを制定し、協力を要請されました。スーパーホテルとしても水俣の発展のためにも、ぜひ協力すべきだという考えでこの環境ISOを導入し、2001年9月に取得しました。
水俣発、全国のスーパーホテルに広がるエコ活動
この環境ISOとは、ごみ、水、電気などを数値化して、悪いところを見つけ、PDCA(Plan,Do,Check,Action)で回しながら是正していくというものですが、まずは、できるところから一つずつ始めていこうということで、全従業員による取り組みをスタートしました。例えば、エレベーター使用は従業員はできるだけ「1アップ3ダウン(昇り1階、降り3階までなら階段を使う)」を心掛ける、節水・節電・紙使用の削減に努める、ごみを分別しリサイクルルートに載せていき、取引業者様にも協力をお願いする、といったごく基本的な活動ばかりですが、当時のホテル・旅館業としては画期的なものでした。 それまでは、ホテルというのは非日常を楽しむもの、電気も水も使い放題、歯ブラシや髭剃りも使い捨てが当たり前―という価値観が主流でした。そんな中、スーパーホテルは「安全で清潔、ぐっすり眠れる、低価格なホテル」をコンセプトに徹底した合理化を進め、宿泊特化型ホテルを目指しています。そして、環境配慮を進めることで、建物や設備はきれいになり、経年劣化が遅くなり、おまけに経費も10%削減されていきました。ムダを省くというスーパーホテルの基本コンセプトと、エコ活動には相関関係があることがわかったのです。こうして、水俣で始まったエコ活動が全国のスーパーホテルへと波及していくことになりました。
運営企画部次長 田中 良治
「環境活動の立ち上げ当時、水俣店の支配人をしていました。故郷でもある水俣が環境に取り組むことで町は美しく、また人々の表情も明るくなっていくことに驚くとともに、これは『いける!』と確信しました。」

エコ活動もお客様と手を携えて
鳥取駅北口店は、他のスーパーホテルと同様、ウィークデーはビジネスマンが中心、週末は観光目的の家族連れやご夫婦連れが多いという宿泊客の特徴があります「。日本一のLOHASホテルに「」エコ活動に取り組もう」という掛け声のもと、環境マネジメントシステムに沿った取り組みを始めましたが、鳥取駅北口店ならではの何かオリジナリティーあふれる活動もほしいとスタッフが常に工夫を重ねています。 例えば、環境やLOHASといったテーマで書籍を集めて並べ、お客様に興味を持っていただけるよう、ランドリーコーナーのそばに本棚も設置しています。こうすることで、洗濯の待ち時間に自然に本を手に取っていただけ、環境問題への関心のきっかけとなり、お客様への啓発につながります。特に女性客に好評のようで、本棚には常に25冊ほどを備え、本を入れ替えています。また、リピータービジネスマンのお客様には、環境先進企業にお勤めの方も多く、そういう方にはこちらから、スーパーホテルの環境への取り組み、鳥取駅北口店のエコ活動についてご意見を求めています。お客様に教えていただく、お客様がアドバイザーと思って、謙虚にお声をうかがい改善に役立てています。
素人集団だからこそ楽しんでやるエコ活動
鳥取駅北口店では、本社からのISO審査に合格すればいいといったことではなく、お客様の視点、生活者の目線で考えエコ活動に取り組むことを従業員一同、意識しています。
温泉に行く際や、長期滞在で洗濯ものをランドリーまで運んだり、クリーニング店に出す際に使うランドリーバッグについても、裁縫の得意なスタッフが手作りをし、使い捨てでなく何度も使えるものにしています。
また、朝食を取られるお客様がほとんどですが、地元の野菜を必ず一品以上は入れるようにし、地産地消を心掛けています。お料理には、ちょっとした添え書き―「二日酔いには梅干が効きますよ」といった一言を添えて、今日一日を健やかにお過ごしいただけるような工夫も加えています。 鳥取駅北口店はオープン時、素人ばかりの集団でしたが、素人だからこそ自分たちが楽しんで取り組めるエコ活動を展開し、お取引先の方やお客様にもそういった楽しさをお伝えしたいと考えております。モニター店の役割も担っているという気概で、今後もエコ活動の輪をさらに大きくしていきます。