泊まって、感じて、Lohasっていいね スーパーホテル

第三者意見

総合的な視点から

「環境と健康」は、21世紀の日本社会が活力を持って歩み続けるためのキーワードです。年間330万泊、全国に100店舗以上を展開するスーパーホテルが、「トップ対談」にあるように環境配慮とともに健康面を柱として運営されている視点の確かさは、素晴らしいものです。また、企業価値の向上に向けて、サービス事業を実施する際に重視するステークホルダーを、「お客様」「地域社会」「環境」「従業員」「取引先」の5つとしており、この5項目に環境が入っていることが、大きな特徴といえます。顧客満足度はホテル業界No.1を誇り、ここ5年で売上高は倍増しておられますが、環境配慮に取り組む企業が市場で評価され、発展とともに環境も良くなる「環境と経済の好循環」を体現する基盤が、組織体制に組み込まれていることを高く評価します。

環境の側面から

2011年4月に環境省の「エコ・ファースト企業」に、ホテル業界で初めて認定されました。その際、環境省と交わした環境保全目標は、「ホテルのCO2排出量を、2009年度比で2014年度までに30%削減、2020年度までに40%削減」と意欲的な数値となっています。2010年度はすでに12.9%削減を達成されていますが、地球温暖化による気候変動など影響が徐々に顕在化しており、低炭素社会づくりにこれまで以上に取り組んで頂くことを期待しています。循環型社会づくりに関しても、無料朝食から発生する残さの堆肥化など食品リサイクルを2014年までに全店で導入するなど、目標を掲げておられます。立地周辺地域の有機農業と連携し、できた旬の野菜を再び購入するなど、食の循環の環が多くの地域でつながることも願っています。また、ISO14001認証の取得店舖を順次増やしておられますので、その取り組みを一層進め、取り組みの見える化や成果の定量化を進めて頂きたいと考えます。

社会的側面から

抽象的になりがちな社会的側面の取り組みですが、快適な眠り、健康朝食、地域を元気にする拠点として、LOHASを強調するポイントを明確にしており、具体的な取り組みからわかりやすく魅力を広げている方法が、堅実です。快適な眠りに関しては、大学と共同で「ぐっすり研究所」を設立し、その成果を「枕を選ぶ」などの具体的な行動につなげており、ここでも宿泊客を巻き込む取り組みが、主体的な行動でくらしの足元から持続可能な社会を実現する現代社会の方向性とつながっており、企業の新しい姿を示していると考えます。

また、重視するステークホルダーに地域社会を位置付けており、飲食施設を持たないビジネスホテルとして、周辺地域の食事処の紹介を積極的に実施するなど、自社のコスト削減と地域活性化の両立を上手に果たしています。愛媛県八幡浜市で開催された「ステークホルダー・ダイアログ」を視察させて頂きましたが、仕事や観光で訪れる方々と地元をつなぐ交流拠点として、市長や地域づくりキーマンの方々のスーパーホテルへの期待は大変大きく、このような地元との信頼関係が、スーパーホテルの持続可能性にも大きく貢献するものと考えます。全国のスーパーホテルで、地域との連携を重視して頂くことを期待します。

今後に向けて

なお、地域社会での連携のつなぎ手としての役割が大きく期待されていますが、東日本大震災後の日本では特に、地域資源を徹底的に活用して食料やエネルギーなどの自立を進め、伝統文化も継承して心をつなぎ、地域力を高めようという機運が高くなっています。省エネルギーだけでなく太陽光、風力、地熱、小水力など自然エネルギーの活用でエネルギー自給率を高めたり、伝統行事の復活で新たな観光資源を掘り起こすための場づくりを行ったりするなど、まだまだ挑戦できるテーマはあります。環境配慮、顧客満足度、コスト削減、地域活性化の4つを組み合わせた「環境と経済の好循環する」斬新な取り組みを進めて、「環境と健康」を軸にした持続可能なホテル像を、広く社会に提示して頂きたいと願っています。

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ジャーナリスト・環境カウンセラー
崎田 裕子 氏

出版社での雑誌編集を経てフリージャーナリストに。生活者の視点から社会を見つめ、環境問題、特に「持続可能な社会・循環型社会づくり」を中心に取リ組んでいる。環境省登録の環境力ウンセラーとして環境学習推進にも広く関わっており、環境省「中央環境審議会」、経済産業省「総合資源エネルギー調査会」など環境エネルギー分野の委員を多数務めている。