株式会社スーパーホテルは日本経営品質賞(大規模部門)を受賞しました。

Japan Quality Award

2015年度

【 2015年度 日本経営品質賞(大規模部門)受賞にあたりまして 】

この度、弊社は、2015年度 日本経営品質賞(大規模部門)を受賞いたしました。本賞は、顧客視点から経営全体を運営し、自己革新を通じて新しい価値を創出し続けることのできる「卓越した経営の仕組み」を有する企業を表彰する制度で、当社は2009年度に受賞し、本年2度目の受賞となりました。これも、ひとえに日頃からご愛顧くださるお客様や、私共を支えてくださる関連会社の皆様のお陰であると心より厚くお礼申し上げます。

スーパーホテルは、自律型感動人間の育成と理念の浸透を通じて、頻繁に出張するビジネスパーソンと交流顧客をターゲットとし、「安全・清潔・ぐっすり眠れる」Lohasな空間をローコスト・ハイクオリティで創造し、お客様に元気になっていただくホテルを目指しています。「日常の感動とLohasによるイノベーション」をキーワードに画期的なサービス・仕組みを採用し、国内で111店舗、海外に3店舗を展開しています。1970年からシングルマンションビジネスを展開するとともに、1990年にシティホテルビジネスに参画しました。その後、時代変化と成長機会を活かすためにノウハウを活用し、スーパーホテルというブランドで宿泊特化型のホテルビジネスを開始しました。開設当時から地域を支援するビジネスパーソンに「安全・清潔・ぐっすり眠れる」という価値提供を追及し、ビジネスパーソンが宿泊しない土日祝日の稼働の問題を解決するため、地域交流人口の増加に着目して、交流顧客にも喜んでいただけるサービスを開発してまいりました。創業以来「ぐっすり眠れる」環境創造を追求し続けるなかで、全世界でのLohasニーズの高まりを予測し、宿泊特化型のホテルでの本格的Lohas価値として「環・眠・食・気・地域」という独自コンセプトを打ち出しています。今後も、一層、お客様視点に立った経営革新を通じ、社会に貢献できる企業を目指してまいります。

【 日本経営品質賞を受賞した理由 】

スーパーホテルは、国内ビジネスパーソンを対象に低価格でも「安全・清潔・ぐっすり眠れる」顧客ニーズに応える独自のビジネスモデル構築で2009年に日本経営品質賞を中小規模部門で受賞した。ところが、リーマンショックを機にシティホテルの低価格戦略で競争が激化。それを需要と競合ホテルの動きを考慮した変動価格設定ができるイールド・マネジメントの導入で凌ぎ、稼働率は向上した。しかし、イールド・マネジメントの導入は、顧客が求める価値を「価格から品質に」変える両刃の剣であり、経済性だけを追求すると、「ホテルチェーン全体」の経営品質が失われる。そこで価値を「低価格」から「1円当たりの顧客満足日本一」へと転換し、社内評価指標も「稼働率」から「顧客からの外部評価」へと変更した。今回の受審がホテルチェーン全体(大規模部門)に変わっていることが象徴するように、顧客と接するアルバイトにまで拡大した人材育成の仕組みづくりや店舗経営支援、全員で共有できる顧客情報システムの構築により、ホテルチェーン全体で「1円当たりの顧客満足日本一」を提供できる体制を整えた。同時に、イールド・マネジメント導入に当たって、ターゲット顧客を改めて、国内ビジネスパーソンと再確認し、急増する女性客も意識している。高価格で贅沢なサービスではなく、Lohasな価値を提供するもの――健康で安全な食事、環境に配慮した建物等――に資金を投入しており、男性客もその価値に共感し始めている。また、インバウンド需要でホテル価格が上昇する中でも、団体客は受け付けず、国内ビジネスパーソンが泊まりやすい価格帯に抑えた運営を続けている。この結果、ビジネスパーソンの満足度やリピート率は高水準を維持、J.D.パワーの2014年度ホテル宿泊客満足度No.1(1泊9000円未満部門)、JCSI(日本版顧客満足度指数)2014年ビジネスホテル業界顧客満足1位、同サービス32業種満足10位、同サービス32業種将来の再利用意向2位を獲得した。ビジネスモデル構築で日本経営品質賞を受賞した2009年以降の顧客本位にむけた経営変革は、経営品質活動の進化した姿であり、サービス業全体、組織変革をめざす組織のベンチマーキング対象となる。

■「1円当たりの顧客満足日本一」にむけた理念、仕組み、体制の一体化

「1円当たりの顧客満足日本一」という理念を掲げ、顧客視点に立った利用しやすい予約システム、ビジネスパーソンに直前までお部屋を確保し、泊まりやすい価格帯を提供する仕組み、過去の宿泊履歴を見ながら会話できる接客体制が一体となって運営されている。結果として、高いリピート率を維持、JCSI調査、J.D.パワー調査の結果ともに2014年は初めてNO.1を獲得。ワンランク上のホテルを含めた競合ビジネスホテル比較でも、稼働率、客室当たり単価で業界No.1を獲得している。

■IT活用による模倣困難なローコストオペレーションとマネジメントノウハウ

「1円当たりの顧客満足日本一」になるために、運営計画と適正人員配置、予約管理・残室管理・チェックイン・顧客管理に店舗会計を統合した「ホテルシステム」などの自社開発のITシステムを導入している。また、ノウハウを生かしたローコスト化と居心地・快適さを両立させる設計・建築で店舗開発ノウハウを強化してきた。結果として、営業利益率も2009年以降、業界平均を大きく上回っている。

■顧客満足を目指したチーム――「自律型感動人間」集団の拡大

2009年度以降も継続する「自律型感動人間」の育成をアルバイト・アテンダントまで拡大した。具体的には、理念・価値観の浸透と、支配人・副支配人のライセンス評価、正社員・アルバイトの目標管理制度を進化させた。結果として、離職率は2009年から大きく減少、各層別の従業員満足度調査も高水準を維持し続けている。

■新たなホテルスタンダードを目指した「Lohas(ロハス)価値」の追求

2009年から「Lohas(環境・健康)価値」を提案、経営幹部自らのリーダーシップで外部専門家との協働で商品・サービスを開発・改良を行っている。長期的には「Lohasブランド」、短期的にもLohas名称のホテルで共感する女性客の利用が5年間で2倍にも拡大、ビジネスパーソンもこの価値に目が向き始めている。今では社員一人ひとりがビジネスを行う際の目指す姿となり、新たなホテルスタンダードの構築に取り組んでいる。

2009年度

【 2009年度 日本経営品質賞(中小規模部門)受賞にあたりまして 】

このたび、弊社は、栄えある「日本経営品質賞」を受賞することができました。 これもひとえにお客様、パートナー様、地域の皆様方からの、私ども事業活動へのご理解と ご支援の賜物と心から厚くお礼申し上げます。 株式会社スーパーホテルは、1970年に大阪でシングル向けマンションを経営する会社を設立したことに始まります(現在、別会社にて5,000室を管理)。1989年、その経営ノウハウを活かして、株式会社スーパーホテルを設立しビジネスホテル業界に参入しました。当初は「ホテルリンクス」というシリーズ名で6店舗展開しましたが、1997年、時代の変化を今後の成長機会ととらえ、日本初の本格的バジェットホテルとして「スーパーホテル」の1号店を博多にオープンしました。以後は旧来型の「ホテルリンクス」のスーパーホテル転換を行ないながら、スーパーホテルシリーズを全国に展開してきています。平成21年には、ロハス(健康と環境)を新しい価値提供とするスーパーホテルLOHAS JR奈良駅をオープンし、2010年1月現在では全国で93棟、10,369室を運営しています。 スーパーホテルの経営理念は、「世界的レベルでの質の高いサービス」を提供し「時代を先取りする創造的な企業」を目指すことです。そして、主たるターゲットである頻繁に出張するビジネスマンに対して、「安全・清潔・ぐっすり眠れる」スペースを創造し、「お客さまに元気になっていただく」ための、ぐっすり眠れるLOHASなホテル作りを進めています。今後も更なる追求による経営革新の実践を目指し、一層の努力をしてまいります。

【 日本経営品質賞を受賞した理由 】

株式会社スーパーホテルは、低価格で顧客のニーズに応え、かつ、高い稼働率を実現するためのビジネスモデルが、日常業務にも根付いて確実にその成果を上げており、本部の各部署が協力し合いながら連携してその支援を行い、新たなサービスの開発とそのスピーディーな展開がローコストオペレーションの強化と両立して行なわれている。 さらに、経営品質向上会議によって、組織目標実現のための各部門の方向性の策定から進捗確認、見直しまでを各部門間の整合性を取りながら指標の改廃も含めて行い、業界NO.1ホテルチェーンとして確固たるポジションを築き、高い顧客満足度や社員満足度、良好な財務結果などの成果に結びついている。 以下が今回の審査で高く評価された点である。

■独自のビジネスモデルを基盤としたローコストオペレーションとサービス改廃の実践

独自のビジネスモデルに沿って各店舗、本部でローコスト運営が徹底され、本部主導によるその標準化と各店舗への展開も行われ、組織全体でのローコストオペレーション力の更なる強化による収益性の向上につなげている。また、単に業務を効率化することだけを目的とせず、効率化したことで生まれる余力を顧客サービスに振り向けることにより、顧客満足度の向上につなげ業界内で最高位の評価を受けるに至っている。

■本部(サポートセンター)の協力体制による各部門間で連携性を発揮した店舗支援の展開

本部の各部門は、日常的な情報交換のみならず、定期的に開催される会議体を通じて、他の店舗支援部門等と相互に連携し、定期的な各種会議体や部内レビュー等を通じて不具合の改善や未然防止策の検討が行われる仕組みを確立している。本部の各部門が日々の店舗支援に従事することで、ホテル経営の経験が浅い、経験に差のある支配人、副支配人に店舗運営を任せても円滑に店舗が運営され、その結果、支配人、副支配人の高い満足度も得るという成果を上げている。

■各店舗の運営計画立案支援における標準化と戦略策定支援ツールの開発とその運用

各店舗での運営計画の策定レベルのばらつきを課題として、「店舗運営計画策定マニュアル」を作成するとともに、戦略策定支援ツールとして、「地域NO.1と稼働率推移によるマトリックス分析」を開発し、ゾーン毎の基本戦略を定め、その実施と検証を行い、各店舗が作成する運営計画のレベルアップにつなげ、稼働率の向上につなげている。

■経営品質向上会議による組織全体の方向性を踏まえた各部門の活動や目標の選定と成果の共有

経営幹部、管理職が月1回参加する経営品質向上会議によって、組織目標実現のための各部門の重点実行活動の策定からその進捗確認、また、それらの見直しまでを各部門の進捗状況や不具合の発生等も含めて部門を越えて率直に意見交換している。さらに、各部門間の整合性を取りながら全体最適な活動のあり方を財務情報(結果指標)中心からプロセス管理に目を向けた指標の改廃も含めて行い、その成果を上げている。この根底には、部門長までを「経営幹部」として権限委譲を行うなど、リーダーシップの在り方の変革を行い、それを受けて幹部・管理職が意識や行動の変化を起こしていることがあるものと思われる。

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